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猫にとっての有害植物 その2
順番が前後しますが、メルロくんのオーナーであるM先生が
アメリカのサイトの「有害であるユリについて」の記述を訳されたので掲載します。
M先生からのメールより
原文はPDFドキュメントですのでアクロバット・リーダーが必要です。
訳文とPDFファイルを再度、お送りします。
今しがた、読み直していましたら、イースターリリー(スカシユリ)と書いて
いましたが、スカシユリはDay lilyの方でした。訂正します。
easter lily→http://www.aspca.org/toxicplants/M01861.htm
day lily →http://www.aspca.org/toxicplants/M01858.htm
ちなみにメルロ君が食べてしまったのはorange day lilyでした。
Animal Poison Control Centerのホームページから引用しています。
http://www.aspca.org/site/PageServer?pagename=apcc
もし添付ファイルが壊れているようでしたら、こちらからもダウンロードできま
す。
http://www.aspca.org/site/DocServer/vettech_0402.pdf?docID=354
Animal Poison Control Center and Cat Fanciers' Association Issue Alert:
Lilies Can Be Deadly To Cats!
Monday, March 7, 2005
In 2004, the Center managed over 275 cases involving lilies.
(ユリは猫にとって致死的である!)
アメリカのAPCC(動物中毒治療センター)には毎年220~280例の
ユリ中毒の猫が運び込まれるようで、猫にとっての有毒植物のTOP5に入る
といい、上記のように毎年注意を喚起しているようです。にもかかわらず、年
を追うごとに、ここに運び込まれる猫の数は増えているのです。
Textbook of Veterinary Internal Medicine 6th editionから引用翻訳
●主として腎臓を傷害する植物
Easter lilyおよびDay lily(←スカシユリ)に属する全てのユリは、猫にとって有毒である。Tiger lily、Japanese Showy lilyおよびAsiatic lilyもまた有毒である。毒素と作用機序は不明である。臨床徴候は一般に2時間以内に出現し、嘔吐、抑うつ、食欲低下を含み、1ないし3日後には急性腎不全を発症する。検査所見としてはBUN、クレアチニン、K、リン酸塩の増加を認める。摂取から18時間後には、尿中に上皮円柱が認められる。生存には早期治療が必要である。治療には、強力なグルカゴン・インスリン療法を、活性炭と輸液による利尿を様々な量で組み合わせて、BUNやクレアチニン値が正常化するまで行う。無尿の猫では腹膜透析が有効かもしれない。治療開始が18時間ないし24時間以降に遅れた場合や無尿の場合、予後不良である。腎尿細管上皮細胞壊死から死に到る。
美しいユリ~潜在的「猫にとっての厄災」(註cat-astrophe ;catastropheをもじっている)
ヴェラ.M.スティンバーゲン 主任獣医師 記
復活祭翌日の月曜日の朝のこと。クライアントから電話があり、病気の飼い猫ジェイスン、三歳のメインクーンを連れてきたいとのことであった。ジェイスンは復活祭の朝からその夜6時まで嘔吐しており、その日の朝も吐き始めたとのことであった。
ジェイスンは今まで健康であった。彼が最後にクリニックを訪れたのは2ヶ月前で、毎年のワクチン接種と歯石除去に訪れたのであった。歯科処置前の血液検査は正常で、なんら合併症は認められなかった。
診察時、ジェイスンは依然、嘔吐しており、食欲が無かった。飼い主は吐瀉物の中に、葉の断片があったことを明らかにした。彼は室内飼いであったので、飼い主に、彼が口にし得る、ありとあらゆる室内用植物についてたずねたところ、飼い主は、唯一、家の中に復活祭の前日に贈られたイースターリリーがあったことを報告した。
理学的所見では、ジェイスンは元気がなく、若干脱水傾向にあった。血液検査では重症の高窒素血症(BUN165mg/dl、クレアチニン29.1mg/dl)が明らかとなった。猫はまた尿糖と血尿を呈していた。急性腎不全の診断がついた。
2週間の輸液療法と腹膜透析の後、ジェイスンは退院し帰宅したが、今は慢性腎不全の状態にある。
毒性
ジェイスンの飼い主は知らなかったが、ユリ科の植物は猫にとって有毒である。この植物の全てが有毒とされ、葉1枚を噛んだだけで、病気になり得るのである。猫はユリ科の植物に対して特異な被傷害性があるらしい。臨床研究では、尿細管変性が猫でのみ生じ、兎やラットでは認められないし、犬に摂取させても軽微な消化器症状が認められるのみで、腎障害は認められない。
臨床徴候
ユリ中毒の臨床徴候は、摂取後2ないし6時間以内に生じる、嘔吐、無食欲、抑うつといったパターンである。嘔吐は6ないし12時間後には止まるかもしれないが、いずれ摂取24ないし72時間後には再発する。ASPCAが報告するその他の臨床徴候としては、head pressing(原文のまま)、見当識障害、運動失調、顔面と肉球の浮腫、呼吸困難、痙攣がある。
摂取後12時間で非乏尿性腎不全を発症することもある。血液生化学的検査では血清BUN、クレアチニン、カリウム、リンの濃度が上昇する。クレアチニン濃度は最大で53mg/dlが報告されている。尿検査では摂取後18時間以内に、上皮円柱や尿糖が認められるだろう。
治療
これらの植物の毒性機序は不明であり、治療はそれ以上の吸収を防ぐことと、種々の程度にある腎不全のマネージメントが目標となる。患猫の生存率を高めるには早期治療が必須で、摂取後18時間以降に治療を先延ばしすると、しばしば予後不良となる。摂取して間もない場合(2ないし4時間)では、もし他に禁忌となるような医学的背景がなければ、嘔吐を催させることが勧められる。嘔吐を誘発した後、また、嘔吐できない場合も、下剤と共に活性炭の投与を次いで行うべきである。少なくとも48時間は積極的な輸液による利尿を継続するべきである。
APCCの報告によれば、腎不全となった猫のうちには、腎機能を回復するために数週間の輸液による利尿を行ったものもある。ユリ中毒から生存し得た猫は、慢性腎不全やおそらく膵炎に移行する場合もある。ユリの摂取で急性腎不全となった6匹の猫に関する、ある報告によれば、3匹が死亡ないし安楽死させられ、3匹が生き残ったとされている。解剖は2匹に対して行われ、いずれにも膵炎の所見が認められた。膵炎はユリ中毒の結果起こると思われる。膵炎がユリ摂取の結果であるのか、血液透析の結果、二次的に生じたものであるのかどうかは判断しがたい。血液透析に導入された他の猫の場合にもしばしば膵炎は認められるからである。
結論
多くの猫の飼い主がユリの危険性を理解していない。それゆえ、獣医療従事者は猫の飼い主に、この壊滅的な危険性を周知するべきである。家の中に植物を持ち込んだり、庭に植えたりする以前に、ペットの飼い主には、植物が毒性を有することをはっきり理解してもらうようことを積極的に行うべきである。もし、植物に付けられたタグから植物の正式名称(例えば属や種)が特定できなければ、ペットの飼い主は、これらを知っていると思われる専門家(地元の花屋や植木(種苗)業者、大学の植物学部、園芸会社など)に情報を得るべく、問い合わせるべきであろう。
アメリカのサイトの「有害であるユリについて」の記述を訳されたので掲載します。
M先生からのメールより
原文はPDFドキュメントですのでアクロバット・リーダーが必要です。
訳文とPDFファイルを再度、お送りします。
今しがた、読み直していましたら、イースターリリー(スカシユリ)と書いて
いましたが、スカシユリはDay lilyの方でした。訂正します。
easter lily→http://www.aspca.org/toxicplants/M01861.htm
day lily →http://www.aspca.org/toxicplants/M01858.htm
ちなみにメルロ君が食べてしまったのはorange day lilyでした。
Animal Poison Control Centerのホームページから引用しています。
http://www.aspca.org/site/PageServer?pagename=apcc
もし添付ファイルが壊れているようでしたら、こちらからもダウンロードできま
す。
http://www.aspca.org/site/DocServer/vettech_0402.pdf?docID=354
Animal Poison Control Center and Cat Fanciers' Association Issue Alert:
Lilies Can Be Deadly To Cats!
Monday, March 7, 2005
In 2004, the Center managed over 275 cases involving lilies.
(ユリは猫にとって致死的である!)
アメリカのAPCC(動物中毒治療センター)には毎年220~280例の
ユリ中毒の猫が運び込まれるようで、猫にとっての有毒植物のTOP5に入る
といい、上記のように毎年注意を喚起しているようです。にもかかわらず、年
を追うごとに、ここに運び込まれる猫の数は増えているのです。
Textbook of Veterinary Internal Medicine 6th editionから引用翻訳
●主として腎臓を傷害する植物
Easter lilyおよびDay lily(←スカシユリ)に属する全てのユリは、猫にとって有毒である。Tiger lily、Japanese Showy lilyおよびAsiatic lilyもまた有毒である。毒素と作用機序は不明である。臨床徴候は一般に2時間以内に出現し、嘔吐、抑うつ、食欲低下を含み、1ないし3日後には急性腎不全を発症する。検査所見としてはBUN、クレアチニン、K、リン酸塩の増加を認める。摂取から18時間後には、尿中に上皮円柱が認められる。生存には早期治療が必要である。治療には、強力なグルカゴン・インスリン療法を、活性炭と輸液による利尿を様々な量で組み合わせて、BUNやクレアチニン値が正常化するまで行う。無尿の猫では腹膜透析が有効かもしれない。治療開始が18時間ないし24時間以降に遅れた場合や無尿の場合、予後不良である。腎尿細管上皮細胞壊死から死に到る。
美しいユリ~潜在的「猫にとっての厄災」(註cat-astrophe ;catastropheをもじっている)
ヴェラ.M.スティンバーゲン 主任獣医師 記
復活祭翌日の月曜日の朝のこと。クライアントから電話があり、病気の飼い猫ジェイスン、三歳のメインクーンを連れてきたいとのことであった。ジェイスンは復活祭の朝からその夜6時まで嘔吐しており、その日の朝も吐き始めたとのことであった。
ジェイスンは今まで健康であった。彼が最後にクリニックを訪れたのは2ヶ月前で、毎年のワクチン接種と歯石除去に訪れたのであった。歯科処置前の血液検査は正常で、なんら合併症は認められなかった。
診察時、ジェイスンは依然、嘔吐しており、食欲が無かった。飼い主は吐瀉物の中に、葉の断片があったことを明らかにした。彼は室内飼いであったので、飼い主に、彼が口にし得る、ありとあらゆる室内用植物についてたずねたところ、飼い主は、唯一、家の中に復活祭の前日に贈られたイースターリリーがあったことを報告した。
理学的所見では、ジェイスンは元気がなく、若干脱水傾向にあった。血液検査では重症の高窒素血症(BUN165mg/dl、クレアチニン29.1mg/dl)が明らかとなった。猫はまた尿糖と血尿を呈していた。急性腎不全の診断がついた。
2週間の輸液療法と腹膜透析の後、ジェイスンは退院し帰宅したが、今は慢性腎不全の状態にある。
毒性
ジェイスンの飼い主は知らなかったが、ユリ科の植物は猫にとって有毒である。この植物の全てが有毒とされ、葉1枚を噛んだだけで、病気になり得るのである。猫はユリ科の植物に対して特異な被傷害性があるらしい。臨床研究では、尿細管変性が猫でのみ生じ、兎やラットでは認められないし、犬に摂取させても軽微な消化器症状が認められるのみで、腎障害は認められない。
臨床徴候
ユリ中毒の臨床徴候は、摂取後2ないし6時間以内に生じる、嘔吐、無食欲、抑うつといったパターンである。嘔吐は6ないし12時間後には止まるかもしれないが、いずれ摂取24ないし72時間後には再発する。ASPCAが報告するその他の臨床徴候としては、head pressing(原文のまま)、見当識障害、運動失調、顔面と肉球の浮腫、呼吸困難、痙攣がある。
摂取後12時間で非乏尿性腎不全を発症することもある。血液生化学的検査では血清BUN、クレアチニン、カリウム、リンの濃度が上昇する。クレアチニン濃度は最大で53mg/dlが報告されている。尿検査では摂取後18時間以内に、上皮円柱や尿糖が認められるだろう。
治療
これらの植物の毒性機序は不明であり、治療はそれ以上の吸収を防ぐことと、種々の程度にある腎不全のマネージメントが目標となる。患猫の生存率を高めるには早期治療が必須で、摂取後18時間以降に治療を先延ばしすると、しばしば予後不良となる。摂取して間もない場合(2ないし4時間)では、もし他に禁忌となるような医学的背景がなければ、嘔吐を催させることが勧められる。嘔吐を誘発した後、また、嘔吐できない場合も、下剤と共に活性炭の投与を次いで行うべきである。少なくとも48時間は積極的な輸液による利尿を継続するべきである。
APCCの報告によれば、腎不全となった猫のうちには、腎機能を回復するために数週間の輸液による利尿を行ったものもある。ユリ中毒から生存し得た猫は、慢性腎不全やおそらく膵炎に移行する場合もある。ユリの摂取で急性腎不全となった6匹の猫に関する、ある報告によれば、3匹が死亡ないし安楽死させられ、3匹が生き残ったとされている。解剖は2匹に対して行われ、いずれにも膵炎の所見が認められた。膵炎はユリ中毒の結果起こると思われる。膵炎がユリ摂取の結果であるのか、血液透析の結果、二次的に生じたものであるのかどうかは判断しがたい。血液透析に導入された他の猫の場合にもしばしば膵炎は認められるからである。
結論
多くの猫の飼い主がユリの危険性を理解していない。それゆえ、獣医療従事者は猫の飼い主に、この壊滅的な危険性を周知するべきである。家の中に植物を持ち込んだり、庭に植えたりする以前に、ペットの飼い主には、植物が毒性を有することをはっきり理解してもらうようことを積極的に行うべきである。もし、植物に付けられたタグから植物の正式名称(例えば属や種)が特定できなければ、ペットの飼い主は、これらを知っていると思われる専門家(地元の花屋や植木(種苗)業者、大学の植物学部、園芸会社など)に情報を得るべく、問い合わせるべきであろう。
by alivila_aby
| 2005-05-31 00:31
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